こんばんわ。阿久津文庫の阿久津です。 大好きな冬もあと1ヶ月。花粉症の私は春が苦手です。 では、張り切って第20話へと進んでみます。
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9/1 ケアンズからの2回目のショートツーリング
Daintree で渡し船に乗り、前回と同じ未舗装路に入った。 こないだ来た CowBay までは順調だ。 今回はさらに先に、勇気を持ってバイクを進める。
CapeTribulation 付近を通過。 恐竜図鑑で見たことあるような原始の海岸といった雰囲気で、 人の気配を感じない。ジャングルが海までせり出している。
相変わらず道は粘土質でよく滑る。 タイヤは新車で買ったときのままのノーマルタイヤ。 オフロードタイヤってものの存在自体、実はよく知らない。
前回よりもずいぶん北上し、こりゃ行ける、と思ったあたりで 橋のかかっていない河に遭遇した。
今度は渡し船も無い。人もいないジャングルの中。 しかし河は浅い。にごりもない。 深さはほんの30センチだろう。底がはっきり見える。
渡ろうかかどうか悩んでいると、XT600の白人の兄ちゃんが 半袖半ズボンのライディングスタイルで現れ、 そのままドドドドッと河を越えて行ってしまった。むむ、やるなあ。
川幅はわずか15mほど。勢いで行けない気もしないではないが、 ダート初めての勇気のない俺は・・・結局やめることにした。
う〜ん、またも簡単に諦めてしまった。
仕方ない、もう1本の内陸側のルートを行ってみよう。 分岐点まで約30km、もと来た道を戻る。
戻り路で、日本人のなんと自転車青年に出会った。 もともとは俺も自転車で回りたかったので、興味を持って声をかけると、 秋田県出身の明るい青年で、なんと CapeYork先端を目指すという。 す、すごいなあ。がんばって欲しい。
さて、分岐点から内陸の道で CookTown
を目指して北上してみる。 80kmぐらい、時間にして1時間ぐらい北上しただろうか。 MountCarbine というロードハウス1軒だけの町があり、 そこを過ぎると、車が全く、まじで全く通らなくなった。 一応立派に舗装されているのだが、バイクを止めると、 音も何にも聞こえない。シーン、という音が聞こえてきそうだ。
最果てに向かっているんだ、という思い込みもあったと思うが、 すごく怖くなってきた。その広さと静けさは本来素晴らしいのだが、 俺がここにいることを世界中の誰も知らないんだ。 これ以上進んで、もし何かあっても誰も助けに来ないよな。
そんな恐怖がこみあげてきて・・・ 引き返す勇気、なんて言葉で自分をなだめて、南にバイクを向けた。 ここでもまた結局引き返すことにした。
これじゃ CookTown なんて行けそうにない。 まして CapeYork の先端なんて。
ケアンズの宿に戻るとテネレ600が止まっていた。 これまであまりオフロードバイクの日本人ライダーに会わなかったが、 やはりケアンズは CapeYork の基点。オフロードを楽しみに やってくるライダーも多いようだ。
これから CapeYork に向かうライダーの話を聞いていると、 またまた気持ちばかりは大きくなってくるのだが、 さすがにもう、あの孤独なジャングルには入りたくない。。
こうして僕の CapeYork 熱もようやく下がりつつあった。
・・・続く
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